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2019-05-03

木型をつくること

(木型は靴の絵であり育つもの)

現在、HOSHINOではお仕立ての約半数がフルオーダーです。

そのため、普段あまり馴染みのない、「木型をつくる」という言葉が会話の中で出てきます。

木型は靴をお仕立てするための1つの絵であり、お一人お一人の足の個性がその絵には反映されています。

その木型をお一人お一人に対してつくることが、どういった違いをもたらしてくれるのか、

今回はこちらで簡単にご紹介を致します。

以下主に3つの特徴がございます。

1:お足の特徴を1mm単位で捉えます。

人の足はとても敏感で1mmの差ではっきりと緩かったり、痛かったりがわかります。

そのため気持ちよく綺麗に履くためには、

1mm単位でお足に靴を合わせていくことは非常に重要なのですが、

一方で現状では市販では長さだけですら、3.3mm-5mm刻みでしか、靴を選ぶことができません。

それはとても雑なことで、足に合うとはかけ離れてしまう1つの原因になります。

そういった事実から当たり前のように1mm単位で長さだけではなく、幅、かかとや指の特徴、

土踏まずを考慮したお仕立てをすることは、

靴のお仕立ての上では至極原則でありながら重要なポイントとなるのです。

2:デザインと履き心地を全て記憶し改善します。

木型をお仕立てする際、履き心地は当然ながら、

デザインや素材の仕様なども木型に紐付けて職人独自の方法で記憶をさせています。

そのため、職人はお客様からの要望を聞き、

絶えず木型を調整、改善することで、

よりお客様の要望に合った絵へと変化し育っていくのです。

お客様よりお電話一本でお気に入りの靴をご注文いただく過程で、

背後では1足目、2足目、3足目とお仕立てとお客様の声の蓄積によって変化し育っていくことが、

木型をつくる最大の特徴となっています。

3:メンテナンスでも活躍致します。

靴は地に最も近いアイテムです。

そのため、当然ヒールや底材、表情は摩耗します。

結果、メンテナンスをすることはセットで考える必要があります。

しかしながら、靴を仕立てる場合には正確な木型とデザインの記憶がない限りは限界があります。

一方で木型があることで、

時計と同じように靴をオーバーホールすることに至るまでのメンテナンスが可能となります。

そのため靴をお履き頂くこととメンテナンスは切り離せないことで、

メンテナンスと木型をつくることは、

本来切り離すことのできないものなのです。

Shunji Hoshino